子どもの被害や家族間トラブル

2020/02/08 │ 新着情報
警察が昨年1年間に認知(把握)した刑法犯は74万8623件(暫定値)で、前年を8・4%下回り、5年続けて戦後最少を更新した。警察庁が6日発表した。ただ、子どもの被害や家族間トラブル、ネットに関する事件などは多発。刑法犯の指標だけでは犯罪情勢は捉えきれず「予断を許さない状況」と分析している。

虐待

 虐待の疑いがあるとして昨年中に児童相談所(児相)に通告した18歳未満の子どもが、前年より1万7590人(21・9%)多い9万7842人にのぼった。統計が残る2004年から毎年増え続け、最多を更新した。

内容別

 内容別では、心が傷つけられる「心理的虐待」が7万441人で全体の7割。そのうちの6割は、子どもの前で親が配偶者らに暴力を振るうなどの「面前DV」だった。ほかは、体を傷つける「身体的虐待」1万8219人、「育児放棄(ネグレクト)」8920人。「性的虐待」は262人だった。児童虐待で検挙した事件は1957件。前年比577件増で過去最多だった。
 

DV被害

DV被害は前年比4719件増の8万2201件。01年の配偶者暴力防止法施行以降で最多だ。

ストーカー被害

ストーカー被害も2万911件で高水準で推移している。

SNSの悪用

SNSの悪用による事件も少なくない。SNSが原因で被害に遭った子どもは昨年中は2095人いた。また、ネットバンキングの不正送金などのサイバー犯罪の被害も増えている。

刑法犯

 刑法犯だけでみると、02年の約285万件が戦後最多で、その後は17年連続で減少。ピークの4分の1近くになった。全体に占める割合が大きい街頭犯罪や侵入犯罪の減少が続いており、同庁は官民が連携した犯罪対策や防犯カメラ、防犯機器の普及などが要因とみている。ただ、振り込め詐欺などの特殊詐欺は1万6836件と高水準だ。凶悪犯では、強盗と放火は減少したが、殺人が950件で3・8%増え、強制性交等も1405件で7・5%増えた。
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