国際結婚の破綻トラブル

2020/01/11 │ 新着情報

国際 結婚 恋愛トラブル国際結婚の破綻(はたん)が増える中、日本国内で、外国人と日本人の夫婦の子どもをめぐるトラブルが起きている。欧米と日本では家族をめぐる法制度や考え方の違いが大きいからだ。刑事事件に発展するケースもあり、海外メディアも注目し始めている。

初公判が東京地裁

10日、別居した子ども2人に会おうとして、住居侵入の罪に問われたオーストラリア人のスポーツジャーナリストの男性(45)の初公判が東京地裁であった。男性は2007年にオーストラリアで日本人女性と結婚。15年に来日して日本で暮らし始めたが、昨年5月、妻が子ども2人を連れて別居し、居場所がわからなくなった。離婚は成立していない。同10月、子どもの安否を尋ねようと妻の両親が住む都内のマンションを訪問。オートロックを解錠した住民の後に続いて共用部分に入ったとして逮捕された。

妻の実家を訪ねた理由

男性はこの日の法廷で、妻の実家を訪ねた理由について「大きな台風があったので、子どもたちが無事かどうか知りたかった」と語り、「子どもの連れ去りは誘拐だ」とも主張した。だが、検察側は長女に対し男性のDVがあったと主張。懲役6カ月を求刑した。離婚後も両親が共同で親権を持つことが主流の欧米では、片方の親が無断で子どもを連れて別居すると誘拐罪に問われることもある。さらに、日本も13年にハーグ条約=キーワード=を批准。国境を越えて子どもを連れ去られた場合は連れ戻せる仕組みができたのに、双方が日本国内にいると適用されないため、日本にいる外国人が不満をより強く感じる原因になっている。事件についてオーストラリアでは「日本は共同監護権を認めない世界でも数少ない先進国の一つ」などと報じられ、英仏の主要紙でも取り上げられている。奈良大の床谷文雄教授(家族法)は「結婚が国際化する中、今後、日本の法制度と条約をどう調和させていくのか議論が必要だ」と話す。

 <ハーグ条約> 

一方の親が無断で16歳未満の子を国外に連れ去った場合、残された親の求めに応じて、原則として元の居住国へ返還することや、親子の面会交流を支援することなどを定めている。日本を含む101カ国が締約している。外国人が当事者でも、日本国内の紛争には適用されない。
 
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