2021/03/01 │ 新着情報
ストーカー規制法の改正案が26日、閣議決定された。GPS機器などを使って相手の位置情報を取得することなどを新たに規制する。今夏ごろの全面施行を目指す。
警察庁によると、法案では、相手の承諾なく、GPS機器などを使って位置情報を取得することを規制対象とした。スマートフォンのアプリによる位置情報取得も対象。車にGPS機器などを取り付けたり、カバンに忍ばせたりする行為も規制する。
「見張り」や「押しかけ」などのストーカー行為が規制される場所は相手の住居など「通常所在する場所」付近を対象としていたが、訪問先など「現に所在する場所」も加える。拒まれたにもかかわらず、連続して文書を送付する行為も規制する。
GPS機器で居場所をつかむ行為について、警察は法が禁じる「見張り」にあたるとして摘発してきた。しかし、最高裁が昨夏、離れた場所でのGPSによる位置情報取得は、現行法で規制する「住居などの付近での見張り」にはあたらないと判断。これを受け、警察庁が設置した有識者検討会は1月に報告書をまとめていた。(田内康介)
ストーカー規制をめぐる動き
<1999年10月> 埼玉県桶川市で女子大学生が殺害される
<2000年5月> ストーカー規制法成立
<13年6月> 改正法成立。メールの連続送信を規制対象に
<16年12月> 2回目の改正法成立。SNSメッセージの連続送信を規制対象に
<20年7月> 最高裁が、無断で車にGPS機器を取り付けて位置情報を取得することが現行法の「見張り」にあたらないとする判断
<21年2月> GPS機器による位置情報の取得などを新たに規制対象とする法改正案を閣議決定